(日本語) External mindsetのススメ シーズン2
自分を理解するためのExternal mindset 龍田VP
自分を理解するためのExternal mindset 龍田VP
External mindsetをもって仕事にあたっている社員や役員の方々から、その⼼構えやマインドセットを聞かせていただく「External mindsetのススメ」シーズン2。 今回は、開発部門VPの龍田さんにお話を聞きました。学会の中で他社のエンジニアと悩みを共有できる関係を築くには? ボランティア活動で得られる特別な体験とは? 公私にわたりExternal mindsetをフル回転させている龍田さんから数々のノウハウを聞かせていただきました。
(日本語) 龍田さん
私は「External mindsetは自分を理解するためにとても重要なこと」だと考えています。外を見に行かないと、自分と違う人や自分が体験していない事例を知ることができません。外を知ることで初めて自分の強み・弱みを確認することができます。External mindsetを持って行動することで自分のことを客観的に理解できるようになるのです。
(日本語) トヨタ、ホンダのエンジニアと悩みを共有しています
エンジニアの私にとって、情報を集める重要なチャネルのひとつは「学会」です。学会と聞くと若い方はとっつきにくいとか、敷居が高いと感じるかもしれません。古さも感じてしまうでしょうか。ちなみに私は「自動車技術会」のほかに「計測自動制御学会」にも入っています。すでに10年くらいになります。
「計測自動制御学会」はその名の通り、工場や車を測ったり、自動制御に関する技術が論じられる学会です。かなりマニアックな集まりに聞こえるかもしれませんが、最近では「人と人とのコミュニケーションはどう構築されるか?」「握手の効用を数学的に解き明かす」なんて研究テーマが取り上げられるなど、自由な雰囲気を感じます。面白かったのは「不便益」の研究です。不便なことがあるから世の中が進歩するということを学術的に、真剣に論じていました。
私はこれらの学会で、社外のエンジニアの方々と話ができる関係を作っています。このように外とつながるチャネルを複数持つことで、日常の仕事や報道といったパブリックの情報以外のルートでも、会社の外で何が起こっているのかを知ることができるようになります。もちろん、このような関係が一朝一夕で構築できるわけではありません。最初はフェイスtoフェイスの立ち話から始めて、知り合いになり、そこから徐々に連携を深めていきました。今ではトヨタ、ホンダ、マツダのエンジニアから、彼らがどんな悩みを抱えているのかが聞けるようになりました。これはジヤトコのエンジニアにはとても貴重なことではないでしょうか?
(日本語) Give! Give! Give!
他社の方々と悩みを共有したり、相談できる関係を作るためには、ただその場にいるだけではなく、自分から質問することが大切だと思います。ドキドキしますけど、まずは人に話しかけてみることです。最初はその場をよく知っている人と一緒に行って、いろいろな方に自分を紹介してもらうのもよいと思います。人のつながりをうまく使わせてもらうのです。仕事でもプライベートでも、相手を知っている人に紹介してもらうとコミュニケーションが取りやすいですよね。
次に「何を話すか?」ですが、お互いの共通の話題があれば話が深まります。ない場合は相手の話を聞いて、自分の知っている範囲の中で、「こういうことですか?」などと聞いてみる。理解を示す。「同じ悩みを持っている」とか、「自分はまったく考えていなかった」でもよいです。まったく違う視点でもよいですから自分はどうなのか、どう思うのかを示すことが大事だと思います。Give &Take。でも自分から話題を持っていく場合、私はGive, Give, Giveでやっています。人とのつながりの中で、自分のTakeは求めなくてもそのうち返ってくる。これは私の経験です。
(日本語) ボランティア 心に響く現場の言葉
私はジヤトコのボランティアのリーダーを仰せつかっています。 正直な話、昔からボランティアに熱心だったわけではありません。ジヤトコに来たらボランティアに積極的な文化があったこと、そして私自身が少し歳を重ねて「社会貢献をしたい」という気持ちが芽生え、かつ時間に余裕も出てきたことから、3年前に富士山を登りながら清掃活動をするイベントに参加したのです。これが結構面白かった。そして何度かボランティアに参加するうちに、2年前に前任のボランティアリーダーの平山さん(元生産部門役員)から翌年のリーダーとして私が指名されたのです。開発部門の参加率を上げる目論見もあったんだと思います。
ボランティアをやっていると、自治体や地元の方などとお話しする機会が多くあります。その方々は「いま、そこで何が起きているのか、何に困っているか?」を自分たちの言葉で話してくれるのです。ニュースで聞いた話もありますが、直接かかわっている方から聞く話は「心に響いてくる」点が大きく違います。でも、External mindsetを持っていなければ、ただの世間話になってしまうでしょう。「微力ながら自分が社会に貢献できている」という達成感も、External mindsetを持って取り組むことでより深く明確に得ることができるのではないでしょうか。
ここ数年ジヤトコのボランティアのレベルが上がってきたと感じます。清掃活動や回収活動だけではなく、出前授業やジヤトコの技術を活かした貢献など「社会課題の解決」につながる活動が増え、CSV=共通価値の創造に一歩ずつ近づいている実感があります。地域社会をはじめとする周囲のステークホルダーからジヤトコに協力を求める声も増えてきました。そこからまた次の種も出てきています。最近では電動車椅子サッカーのナショナルチームの合宿に協力してほしいという要請を受けました。
ボランティア活動によって、会社と自分の家の生活だけでは知ることができないことに出会い、それを理解することは、自分の人生を本当に豊かにしてくれると思うのです。「世の中で起きていることを知り、それに自分がかかわりを持って貢献したい」と考える若い人が積極的に参加してくれています。一方、多くのベテランも負けず劣らず積極的に参加してくれることをとても頼もしく思います。30代、40代で子育てなどで忙しい時期は参加できなくていいんです。人生の中で、時間や生活に余裕が出てきたときに再び参加してもらえるよう、場所は用意しておきますよ。
(日本語) 自分の存在意義
私は常に「自分の存在意義」を考えています。独りよがりではなく、自分が社会にも周囲の人にも必要とされるためにどうあればよいのか。そのためにExternal mindsetをもって外を知り、自分を見つめ直す必要があるのです。外を見に行かず、内向きの世界に閉じこもっているのは楽ですよね。「ジヤトコに勤めて、言われた仕事をやっていればいい」というのは楽ですが、「これは自分でなくてはいけないのか?」という疑問もわいてきます。私は自分が存在する意義として「人や世の中の役に立ちたい」と思うのです。
最近、日産リーフを手に入れました。ちょうど親戚が免許を返納するということで、それを譲ってもらったのです。EVのある生活を実際に体験してみる。ちょっと迷っていたことでしたが、新しい一歩を踏み出すことにしました。一歩外に踏み出してみたら何が待っているのか。External mindsetはワクワクする挑戦でもあると思います。