ジヤトコが応援している地域密着型サイクルレーシングチーム レバンテフジ静岡。 ジヤトコ1地区のすぐそば、富士市サイクルステーション「ふじクル」内に拠点を構えているチームは、発足した2020年以来、昨シーズンまで1度も優勝したことがありませんでした。しかし今年はシーズン中盤で、すでに4勝を挙げています。この快進撃のナゾを紐解いていきます。
(日本語) ロードレースは個人スポーツではない、圧倒的チームスポーツである
今シーズンキャプテンとしてチームを牽引している高梨万里王選手に、昨シーズンまでとの違いについて聞いてみました。すると今シーズン、チームが強くなった理由がわかってきました。
(日本語) チームキャプテンの高梨万里王選手
1つ目は、チームで勝ちに行く姿勢。 弱虫ペダルというマンガを見たことがある方ならわかるかもしれませんが、ロードレースはチームスポーツです。坂道に強い選手、一瞬だが爆発的な力を出すことができる選手、長時間巡行が可能な選手、アップダウンの激しいコースが得意な選手など、さまざまな特徴を持った選手が互いに助け合いながらレース展開を作っていきます。レース最後のスプリントと呼ばれるゴール前の全力アタックの場に、いかにしてその瞬間に強い選手を連れていくことができるか、ということが勝負の分かれ目となります。 「今シーズンは選手間のコミュニケーションが増えました。レース中も会話をしながら展開をコントロールしています。」と、キャプテン高梨万里王選手の言葉からは自信がみなぎっています。そのことからも今シーズン、選手同士がいかに強い結束力を持っているのかがうかがえます。練習中だけではない、日頃のコミュニケーションに深みがでたことで互いを理解し、文字通りチーム一丸となった戦い方ができているということでしょう。
もう1つは、新たに加入したシーム・キスコネン選手の存在。 エストニア出身のシーム・キスコネン選手は一言でいうと戦略家です。レース中の位置取りの上手さと、刻々と変化するレース展開に柔軟に対応しながらチームを引っ張る能力、さらには事前にチームメンバーと走り方を協議するなどチームの頭脳の役割を担っているそうです。 また、練習熱心なことだけではなく、空気抵抗や転がり抵抗、ドライブトレインのロスを計測・計算し、自ら解析するプログラムを作ってしまうなど、キスコネン選手の自転車に向き合う姿勢が他の選手に与える刺激も大きいところがあるようです。
(日本語) チーム力が備わり、コースの特徴に応じた選手を勝たせにいくことができるようになった
今シーズンの4勝はすべて異なる選手が優勝しています。 4月に伊豆修善寺の日本サイクルスポーツセンターで開催された「チャレンジサイクルロードレース」は、アップダウンの続く難関コース。このコースに一番強い床井亮太選手をチームで勝たせに行くと決めて臨んだレースで、見事に優勝をもぎ取りました。 そして、ここからがレバンテ快進撃のスタート!
約1か月後の5月3日に、岐阜県長良川沿いで開催された「KINAN AACA CUP Round4」では100kmにおよぶレースをシーム・キスコネン選手がラスト2kmの単独逃げ切りを決め優勝。 5月12日長野県木祖村で開催された「木祖村ロードレース」では、高梨万里王選手がオープン参加ながら1位フィニッシュ。 5月18日に長野県木曽郡で行われた「おんたけヒルクライム」では、レバンテが誇るクライマーの2人がまさかのワンツーフィニッシュ。サルマ寬大選手優勝、山口瑛志選手が2位という結果を残しました。サルマ寬大選手にレース終了直後にインタビューを行ったところ、「前の選手に逃げられてしまっていたが、山口瑛志選手の鬼引きで追いつくことができました」と、ここでもチームで勝とうとする姿勢が出た結果となりました。
(日本語) 全日本を取りに行く🏆
6月21日～22日にかけて伊豆修善寺 日本サイクルスポーツセンターで開催される日本最高峰のレース、「全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース」。レバンテからはオールラウンダーでエースの床井選手、富士宮出身キャプテンの高梨万里王選手、現役静岡大学生レバンテ山の神 山口瑛志選手、若手No.1クライマー サルマ寬大選手の4名が出場予定です。 チーム代表の二戸さんにお話を伺ったところ、「選手の調子は非常によく全員にチャンスがある。ひょっとしたらひょっとするかもですよ!」と自信のある笑みを浮かべながら語ってくださいました。 今年のレバンテは強い! 日本一を決めるガチンコレースを間近で観戦できる絶好のチャンスです。ぜひ会場に足を運んで選手の名前をともにコールしましょう!
