My JATCOのQRコードです。
ご紹介の際に活用ください。

QRコード

×閉じる

7+

(日本語) “7秒で守る”――歩いて知る、工場の防災

(日本語) 目で見て、触れてわかる、ジヤトコの防災の今

(日本語) 2011年3月11日14時46分。
東北地方太平洋沖を震源とする巨大地震が発生しました。
そして4日後の3月15日22時31分、静岡県東部地震が発生。富士宮では震度6強を観測しました。
あの日の揺れ、あの緊張感を、私たちは忘れていません。
震災は、私たちの事業を揺るがし、日常を一瞬で奪いました。
あれから15年。
今回は、会社がこの15年間でどのような備えを行ってきたのか、実際に工場を歩いて調べてみました。

今回、全社の自然災害BCMの取りまとめ役をされている工務部工務課川口さんに工場敷地内を案内していただきました。

(日本語) 川口さんと一緒に1地区工場をぐるりと一周歩いて防災設備の見学をさせていただきました

(日本語) 防災と聞くと堅い印象がありますが、川口さんは常に“人を想う視点”を軸に、行動を重ねてきた方です。  
誰よりも細かく現場を見ていて、歩きながら自然に問いを投げかけます。
「ここ、もし停電したらどうなる?」
「これ、誰が確認する?」
部署間の三遊間に転がった課題にも、いち早く気づき、決められていなければ「自分がやる」とためらわずに動く。
さらに、いろんな人に声を掛けながら率先して黙々と動き、周りを巻き込む。
その姿を見て、防災準備が単なる“形”では終わらない理由が分かりました。
正直に言えば、私は「きっと設備は整っているだろう」と思っていました。
防災対策は“誰かがやっているもの”と、どこかで安心していたのです。
けれど、実際に工場を歩いてみると、その認識が甘かったことに気づきました。そこにあったのは単なる設備ではなく、「どう使うか」「誰が動くか」まで考え抜かれた仕組みでした。
だからこそ、準備が形だけで終わらないのだと、心から実感しました。

(日本語) 「7秒で守る」という覚悟

(日本語) 最初に案内されたのは、富士1地区にあるBCMルーム。 
災害時には対策本部となる、工場の“心臓部”です。
室内には無線機がずらりと並び、関係各所と即座に連携できる体制が整えられています。
建物の外には軽油発電機も備えられ、BCM遂行に必要な電力をまかなえる仕様です。 

(日本語) 発電機内には手順書も準備されていて、誰でも操作ができるように整えられていました

(日本語) 目を引いたのは、緊急地震速報システムの接続状況を確認するPCモニターでした。
“いざというときに確実に作動するか”を、日々チェックしているそうです。 
気象庁の情報と連動し、地震発生時にはまず初期微動であるP波をいち早く捉えます。
P波は大きな揺れ(S波)よりも速く伝わるため、そのわずかな時間差を使って、自動放送で工場内に警報を発します。
数秒かもしれません。
しかしその数秒が、機械から離れる、身を低くする、避難ゾーンへ移動する――
命を守る行動につながります。

ベンチマークとした日産自動車の取り組みでは、7秒で10メートル先への避難行動が可能で、死傷軽減率は約90%とされています。
ジヤトコはその考え方に学び、自社の工場環境に合わせて運用へと落とし込んでいます。
7秒で10メートル移動できる――
その前提で、工場内の至る所に青枠で囲まれた緊急避難ゾーンが設置され、日頃から周知されています。

(日本語) 工場を歩いていると至る所に緊急避難ゾーンを見つけることができました。 緊急地震速報システムと連携されているPC

(日本語) 「もし自分の家族がここで働いていたら、と考えるんです」
川口さんはさらりと言いました。  
“7秒で命を守る”。
その短い時間に込められた覚悟は、数字以上の重みを感じました。

(日本語) 電力も、水も、そして尊厳も守る

(日本語) 構内にはソーラーパネルが並びます。1地区16灯、A地区12灯。
リーフの電池を再利用したこのシステムは、非常時にはスマートフォン約40台分を充電可能です。
「連絡手段があるだけで、人は落ち着けるんです」
電力は単なるエネルギーではなく、“安心”そのものなのだと感じました。

(日本語) 避難訓練ではスマートフォンに充電をして実際に使用できることを確認

(日本語) 富士1地区と2地区には非常用飲料水タンクや設備が設置されています。
蛇口から直接使え、折り畳み式ポリ容器も準備済み。
緊急時には従業員だけでなく近隣住民にも開放する準備もしているそうです。
水質は、ジヤトコプラントテックの皆さんが定期的に検査。 
「水は命に直結しますから」
その一言が、設備の説明以上に心に響きました。

(日本語) さらに、安全健康管理部では、災害発生から約3日間で被害状況が把握できると想定し、全拠点に3日分の食料と水を備蓄。定期的な入れ替えも徹底しています。

(日本語) 1地区防災倉庫と飲料水

(日本語) 整理整頓が行き届いた富士宮工場の防災倉庫

(日本語) 印象的だったのは、先まで考え抜いていることです。
簡易トイレの設置方法、テント生活でのプライバシー確保までのシミュレーションを繰り返しています。
「不安な状況だからこそ、少しでも安心できる環境をつくりたいんです」
守ろうとしているのは命だけではありません。
働く一人ひとりの尊厳や、心の安定まで守ろうとしている。
そのことが、この備えの本質だと感じました。

(日本語) 安全健康管理部の有留さん:定期的に備蓄品の状態確認を行っています

(日本語) “止めない”ための裏側

(日本語) 270KWのタイヤ付き移動式発電機は各生産拠点に配置され、災害時には対策事務所の電源を確保します。  
さらに1000KWの非常用発電機は、停電時に爆発リスクを伴う熱処理設備を守るため、すべての工場に設置。停電後10分以内に稼働できる体制です。
水害に備えた土嚢用の砂も準備済み。

(日本語) 移動式発電機と土嚢用砂場

(日本語) どれも目立つ設備ではありません。
けれど、それぞれに明確な“守る理由”があります。
BCM倉庫には、発電機、油圧ジャッキ、防塵マスク、バール、ロープ、ヘルメットなどが整然と並んでいました。
その光景から伝わってきたのは、“止めない”という強い意思です。
保全係は、自社の生産継続のためだけでなく、他地域で災害が発生した際の被災地支援にも即出動可能。
そのための装備がすでに整えられています。

(日本語) 必要な資材が整然と備蓄されています

(日本語) 救助訓練用の人形、一瞬ギョッとしました

(日本語) 「備えているだけでは意味がないんです」
今年度実施した大規模避難訓練の話もしてくれました。  

テントは本当に組み立てられるか?
備品は全て即使用出来るか?
担架で負傷者を安全に運べるか?

机上ではなく、実際にやってみる。出てきた課題は、そのままにせずすぐ改善。
形で終わらせず、“使える備え”にする。
その積み重ねが、「会社にいる間は大丈夫」と言える土台になっているのだと感じました。

(日本語) 大規模避難訓練の様子1

(日本語) 大規模避難訓練の様子2

(日本語) 会社にいる間は、安心してほしい

(日本語) 工場を一周歩き終えたとき、私は心から安心していました。
これほどまでに準備してくれている人がいる。
これほどまでに考え抜かれた仕組みがある。
会社にいる間は、安全が確保されている。
それは偶然ではなく、誰かの真剣な行動の積み重ねです。
川口さんは、従業員のことを本気で想い、自ら考え、自ら動く人。  
こうした姿勢の積み重ねが、ジヤトコの強さであり、私たちが安心して働ける理由だと感じました。

(日本語) だからこそ、自分の備えも

(日本語) 一方で、通勤途中や自宅にいるときはどうでしょうか。

家族との連絡手段は決まっていますか?
3日分の備蓄はありますか?
家具の固定はできていますか?

会社は、会社にいる時間を守ってくれます。
けれど、自分の身を守れるのは自分自身です。
備えは特別なことではなく、日常の延長にあります。
会社が本気で準備してくれているからこそ、私たちは安心して働ける。
その安心に甘えるのではなく、応える。
3.11を忘れない。
備えを、日常に。
今日、自宅の防災を一つ見直してみませんか。
その小さな行動が、未来の安心につながります。

関連記事