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(日本語) Why don’t you join us? ――楽RUNを生んだ二人の挑戦

まったく違う畑にいた二人が、いまは同じ部署で机を並べている。
法務知財部出身の近藤さんと、部品技術部出身の西海さん。二人の出会いは、2023年に実施された武蔵精密工業との共創プログラム「武蔵イノベーションプログラム」だった。
事務局が決めたチーム編成で偶然組んだのが、この二人である。

当時を振り返り、近藤さんはこう語る。
「西海さんは、入社2年目とは思えないほど落ち着いていて、頼りがいがありそうだなと思いました」。
一方の西海さんは「当時の上司と近藤さんが知り合いで、経歴も人格も素晴らしい方だと聞いていました。実際にお会いして、その通りだと思いました」と笑う。

プログラム終了後、社内ピッチを経て事業化検討が認められた。
その後、2025年度には二人そろって新規事業推進部へ異動。武蔵イノベーションプログラムへの参加から約3年を経て、ランニングアプリ「楽RUN」は試験販売開始という一つの節目を迎えた。

*楽RUNとは、「地図を見なくても、その土地を楽しめる道のりアプリ」である。事前のコース作成も、入念な下調べも不要。音声ナビに身を委ねて走ったり歩いたり、街の奥行きや物語に触れることができる。地元の人しか知らないような情報と出会い、見慣れた風景が新しい体験へと変わる。走るというシンプルな行為を通じて、街と人をつなぐアプリである。

(日本語) 「筋肉担当」と「ブレイン」

アプリの発案者は近藤さん。もともと市民ランナーで、沼津から修善寺まで景色やグルメを楽しみながら走る“旅ラン”を仲間と実践していた。その体験をチームに共有すると、「面白い」と共感が集まった。 「自分は“筋肉担当”。発案者であり、ペルソナの当事者。とにかく走って、汗をかき、コースを作る」。

豊富な人脈も近藤さんの武器となり、ピンチの場面では必ず誰かが手を差し伸べてくれたという。 例えば、ジヤトコ韓国エンジニアリング社の李さん。市民ランナーでもある李さんはこのアイデアに共感し、独学でアプリ開発を学び形にしてくれた。さらに新明社長の後押しもあり、現地の街を韓国のメンバーが近藤さんとともに走り、コース制作まで行った。
韓国に続き、ジヤトコの海外拠点があるフランス、スペイン、タイ、そしてアメリカでもコース制作に着手済みだというから驚きである。走るというシンプルな行為が、各拠点の社長をはじめ賛同したメンバーを巻き込みながら、グローバルネットワークを横断するプロジェクトへと発展している。

(日本語) 「筋肉担当」の近藤さんが実際に走って見つけてきた景色

対する西海さんの役割は“ブレイン”。理系エンジニアとしての論理性、そしてデジタルネイティブ世代ならではの感覚。UX/UIの設計やソフトウェア面の検討を担った。
「近藤さんが外で思いきり動く。その間、港を守るのが自分の役目」。
西海さんの存在があるからこそ、近藤さんは自由に走り回れる。インタビュー中の二人の会話からは、互いへのリスペクトが自然に伝わってきた。

(日本語) 前例なき挑戦の壁

順風満帆だったわけではない。
「一番大変だったのは、ルールがなかったこと」と西海さんは言う。前例のない取り組みゆえ、どの部署に相談すべきかも分からない。相談を受ける側もまた戸惑いの連続だった。アイデアを事業へと昇華させる難しさを、身をもって痛感した。

近藤さんも振り返る。
「ジヤトコは長年、真面目にトランスミッションを作り続けてきた会社。その真面目さゆえに、“アプリ? ランニング? 遊びでは?”という声もあった」。
いわば、既存事業と新規事業の間に横たわる価値観の違いである。長年、自動車のトランスミッションで収益を上げてきた会社にとって、ランニングアプリは評価軸もリスクの取り方も大きく異なる。趣味発のアイデアを事業として認めてもらうまでの道のりは、想像以上に険しかった。
それでも、社内には確かな支えがあった。相談に乗ってくれた各部署は、「ルールがないなら、今ある枠内でできる形を一緒に考えよう」と動いてくれたのである。
さらに近藤さんは学びを社外に求め、大学院へ進学。視野が広がり、志を同じくする仲間との出会いも大きな力となった。

「アントレプレナーシップは、挑戦する人だけのものではない。受け入れ、支えてくれる人にもその精神はある」。二人はそう実感している。

(日本語) 近藤さんと西海さんに走る楽しさを教えてもらいました

(日本語) 試験販売、そしてスタートラインへ

現在、楽RUNは東京でPoC(概念実証)販売を迎えた。
「やっとスタートラインに立った。もっと大きなビジョンを描きたい。ドキドキもするけど、ワクワクが止まらない」と近藤さん。

西海さんは「ソフトウェアはリリース後が本番。改良を重ね、持続・拡張していくことが大事」。

アプリ販売のノウハウは社内にほとんどない。知見者に相談し、AIを活用し、時にはGoogleのデベロッパーへ直接問い合わせる。DX時代、学びの場はどこにでもある。

2年前の自分に声をかけるなら――。
近藤さんは「いばらの道でも、正しい方向に進んでいる。へこたれるな」。
西海さんは「入社2年目で手を挙げた自分を褒めたい」と笑う。
「これからは、社内ユーザーだけでなくリアルユーザーの声が届く。怖さもある。しかし、それ以上に楽しみだ」という。

(日本語) 京都コースの試走。2年半にわたる挑戦を、編集部も見守ってきた

(日本語) 一緒に走りませんか?

新規ビジネスに少しでも興味がある皆さんへ。
挑戦は、決して一部の人のものではありません。アイデアを出す人、支える人、背中を押す人。そのすべてがイノベーションの担い手です。
私たちの取り組みを、まずは面白がってください。そして、可能ならば一緒に走りましょう。
走ることは、前に進むことだと思っています。
「楽RUN」は、まだスタートラインに立ったばかりです。
次の一歩を踏み出すのは、あなたかもしれません。
Why don’t you join us?

(日本語) 近藤・西海

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