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潜入! 品質&DXフォーラム 社内最大級の展示会に潜入

品質・DXについて知り、考え、学び、仕事に活かす。「技術と情熱でモビリティの可能性を拡げる」ための社内最大級の展示会が11月に開催された。今号は品質とDXの展示会取材記事をご紹介。変化を楽しみながら、ジヤトコは何にチャレンジしているのか?

クオリティフォーラム 近藤さん

デジタルイノベーションフォーラム 曽根さん

①クオリティフォーラム

最初に紹介するのは、品質を考えるクオリティフォーラム(以下、QF)です。運営事務局のコーポレート品質保証部の近藤さんにお話をうかがいました。

Q:展示内容のコンセプトを教えてください。

今年のQFテーマは「学びで高める未来の品質」です。過去の苦い経験と、現在の品質の取り組みから学び、未来の品質をよくしていくという想いを込めています。今年のブースは、直接品質に携わっていない方も関心を高めてもらえるように、体験型コーナーやクイズを準備しました。体験型コーナーでは、従来から存在するATCU(ユニットを動かすコントロールユニット)の半田付け不具合や、コントロールバルブ内のバリを探す企画を展示しました。

半田付け不具合にチャレンジ
調達部門 頼(ライ)さん

コントロールバルブのバリ探しにチャレンジ
佐藤CEO

Q:その他の見どころを教えてください。

1つ目は、ジヤトコグリーンファーム(以下、JGF)で生産している野菜です。CVT/AT以外の分野からお客さま志向を学ぶために展示しました。 JGFは、食品を取り扱っていること、お客さまと距離が近いことで、非常にお客さま志向が高い特徴があります。また、JGFの野菜はジヤトコの品質プロセスを取り入れて生産しています。細菌数が国の定める基準値の14分の1と高い品質となっており、CVT/ATの品質プロセスが他業界でも有効であることを証明しています。 2つ目は、電動化にむけての準備です。今後、ジヤトコは日産自動車の電気自動車に搭載する電動パワートレイン“X-in-1”の製造を担います。そのため、全社を挙げて電動パワートレインの技術の習得に取り組んでいます。 先月完成したばかりの3-in-1と5-in-1のモックアップや、電動パワートレインの根幹部品となるインバーターを展示し、機能と構造を学んでもらえるようにするなど、電動化への関心と知識を高める内容にしました。

レタスエリア

インバーターの展示

5-in-1(e-Power用)

3-in-1(EV用)

Q:今後への意気込みをお願いします!

品質はお客さまの期待値で決まりますので、常に高い目標にチャレンジし続けることが重要です。そのためには、過去と現在からの学びを振り返り、かつ電動化に対応できる知識をしっかり学び、お客さまに信頼される製品を供給し続けていきたいです!

近藤さん

②デジタルイノベーションフォーラム

次に紹介するのは、業務改革を目指す取り組みを紹介するデジタルイノベーションフォーラム(以下、DIF)です。ブース運営事務局のデジタルソリューション部 曽根さんと説明員の方々にお話をうかがいました。

Q:今年度のテーマ、見どころを教えてください。

曽根:今年のDIFテーマは「DXの深化、現場への浸透と変革への仕掛け」です。ブース展示は業務の深化と工場の深化、2つに分けて展示しました。経営データドリブンやChat GPTへの取り組みがイチオシです。

曽根さん

Q:経営データドリブンへの取り組みについて教えてください。

加藤:これまでは特定の商品でしか出せなかった原価や利益の情報について、データドリブンを目指しています。データドリブンとは、経験や勘で事象を判断するのではなく、データに基づき意思決定や課題解決を行うことを指します。 従来の原価、利益情報は人がやっていましたが、ビッグデータに蓄積させた膨大なデータをAIで分析できるようになり、商品単位、お客さま単位でデータをすぐに出せるようにしました。今後これを使い、どのように経営に貢献していけるのかを考えながら進めています。

Q:Chat GPTへの取り組みについて教えてください。

田村:昨今、話題の生成系AIのひとつが“Chat GPT”です。一般公開されているChat GPTを使えば多くの仕事が効率化できますが、会社機密情報の漏洩リスクなど、問題も発生します。そこでジヤトコオリジナルの環境づくりにむけて、自社開発をしています。情報漏洩リスクの低い環境でChat GPTを使うことで会議の議事録の自動生成など、業務効率化に貢献していきます。また、対話型AIの特徴を活かし、例えば社内情報について何を聞いても回答できる状態を目指します。 今年度中には使用環境が整いますので、ご期待ください!

経営データドリブン説明員 加藤さん

Chat GPT説明員 田村さん

Q:その他のみ見どころを教えてください。

植田:NEC㈱が特許を取得しているインバリアント分析*を活用した生産ライン効率化の取り組みです。熱処理など、人が介在できない生産ライン工程では、製品ができた後に抜き取りで品質チェックを行っています。抜き取り検査でNGが出た場合、製品NGとなったタイミングが分からず、仕損費が高くなってしまう課題がありました。しかし、インバリアント分析を使うことで、リアルタイムで異常を検知できるので、ロスを大幅に減らすことができます。 *微細な違いでも品質に悪影響を及ぼす変化をリアルタイムで発見し、不良品の大量発生を防ぎます。

インバリアント分析説明員 植田さん

大盛り上がりの会場

本田会長コメント

さまざまな分野でジヤトコの将来を感じさせる取り組みが展示されていると改めて感じました。QFは過去の課題を技術屋らしく分析できていましたし、電動化への備えも見えました。DIFは新しい分野ですが、開発・生産・品質・保全など多岐にわたって仕事への落とし込みが始まっていると感じました。今後も更なる深化を目指していってほしいと思います。

展示会を見学し感想を述べる本田会長

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