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External mindsetのススメ 中塚CEO

(この記事は、9月の社内のExternal mindsetのコンテンツ記事から一部編集の上、掲載しています)

External mindsetをもって仕事にあたっている役員、社員の⽅から、その⼼構えやマインドセット継続のための仕組みなど、私たちが使えるヒントを聞かせていただくこの連載、今回はCEOの中塚さんです。

7年前、JATCO WAY:T-E-A-Mの一つとしてExternal mindsetの強化を提唱された中塚さん。発案者である中塚さんから、改めてExternal mindsetとはどういう事なのか、その現状やビジネスに役立つヒント、従業員の皆さんへのメッセージなど、External mindsetにまつわる様々なお話を伺いました。

External mindsetとは

まず始めに、External mindsetをあまり難しく考えずに「External mindsetは楽しく、人生を豊かにするためにも大切な考え⽅」くらいに捉えて欲しいと思います。
わかりやすい事例で説明します。海外に出た、暮らしてみたと考えてみてください。海外で生活すると、日本人としての自分を意識し、グローバルの中での自分というものを意識します。自分を他者との関係性から客観的に見る「相対化」ができるわけです。そうすると今度は、問題意識が出てくるのです。「ああ、このままじゃいけない」「自分はこんなことも分かっていなかったのか」「日本ではどうしてこうなのか?海外ではどうしてそうなるのか?」など。これが次のアクションにつながります。私は知的好奇⼼と呼んでいますが、「本を読んでみよう」「人に聞いてみよう」などの具体的アクションに結び付くでしょう。これがExternal mindsetの一例ではないかと思います。
仕事の観点から私たちにExternal mindsetが必要な理由ですが、これだけ世の中が動いている中で、「外を見て、世の中がどのように変化し、お客さまがどう動いているかを考える」ことをせずに、私たちの将来に向けた打ち手はありえないという事です。10年、20年、30年先と、周りを見ずに今と同じ仕事をしていて会社が成り立つとは思わないですよね。これが、7年前にT-E-A-Mを定義した時の発想でした。7年を経てT-E-A-Mは社員の中に深く浸透し、それぞれ進歩を遂げていますが、External mindsetはまだまだ相対的には足りないな、というのが私の印象です。

先ほどの海外に住む例は、全員ができるわけではありません。でも、なにかに興味を持つ、環境を変えてみる、新しいことを始めてみるとかでも良いのです。それにより自分が相対化され、今まで気が付かなかったことが分かります。大切なのは一歩動くことです。プライベートでもいいです。何か違うことをやってみるとかね。

コロナの影響

私の仕事にとって、外を見て人の話を聞くことはとても大事な事なのですが、コロナの影響で人に会う機会や、海外に行く機会が激減しました。オンラインで人とつながる機会や、海外のモーターショー会場とつないで意見交換をする場を持つなど、積極的に外とつながるようにしていますが、やっぱり直接会ってみてわかること、行ってみてわかることってすごく多いですから、この機会が失われているのは怖いです。自分の考え⽅が世の中とズレていたり、見失っていることや気付いていないことがあるかもしれません。なるべく意識してアンテナを高く持つようにはしています。本を読む、雑誌を読む、オンラインで繋がるなど。それでも総量は減っていると思います。意識してExternal mindsetに身を置いて自分を相対化していくように⼼掛けないと、世の中の動きが本当にわからなくなってしまうのではという意識を持っています。

ビジュアル化と言語化

少し視点を変えて、External mindsetで知ったことや学んだことをどのように取り込み、自分のものにしていくか。参考としてビジュアル化と言語化についてお話しします。
私は、物事を映像やイメージでとらえるのが好きです。すぐにこれはこういうこと?とササっと絵とか図式にしたくなります。ニュースなどが電子メディアで文字として並んでいるのを見るよりは、新聞を拡げて、大きい文字の見出しやチャートなどがレイアウトされているところから情報を捕まえるのが好きです。ビジュアル化して伝えるパワーポイントの資料を作るのも大好きです。GEMや日産役員向けのプレゼンを自分で相当作っています。作りすぎかもしれません(笑)。

ホワイトボードはビジュアル化の重要なアイテムです。私のアイディアはホワイトボードから出てきていると言っても過言ではありません。調達部門のタウンホールミーティングでホワイトボードを使って説明しているうちに、L-B-Bという概念を思いつきました。社長室にもホワイトボードを入れていますが、会議で使うだけでなく、自分の考えをまとめるために、しょっちゅうホワイトボードを使って一人でブレストをしています。ビジュアル化することで、全体を捉え、アイディアをまとめる。External mindsetによる学びをまとめ、アクションにつなげるときに、私にとって有効なやり⽅です。

また、私は「自分の学びや振り返りを言語化する」ことを勧めています。頭の中でなんとなく今日の学びはなんだっけ・・・とぼんやり考えるのと、言語化するのとは全く違います。「今日の学びはこうだった」と言葉に出して語ってみることで耳が覚えます。それを書くことで、目と手の動きで覚えるのです。そして学びが記憶に残ります。

私は大事なミーティングは必ずメモします。とにかく大量にメモを取っています。今年の各部のビジネスレビューやタウンホールミーティングなどは、すべてのメモが残っています。メモは、その場ではラフに書いておいて、終わった後にすべてをまとめています。ここで言語化をしているのです。座席表から始まりだれが何を言っていたかなど、事細かにメモで残しています。これは社会人になってからずっと続けてきました。大事なミーティングには、前回どういうことがあったかを必ず確認してから臨むようにしています。

水槽のカマス

External mindsetによって得られた新しい考え⽅や学びを社内に落とし込んでいくときに、職場の中での軋轢を⼼配して躊躇してしまうという話を聞きました。そこで、水槽のカマスという話を紹介したいと思います。この話は過去にタウンホールミーティングでも何度か話したことがあります。

水槽にカマスがいます、カマスは獰猛で、餌を入れると一気にガツガツ食べるんです。ここで、水槽にガラスを入れてガラスの向こう側にエサを入れてやると、最初は餌を食べようとガラスにぶつかりまくります。するとカマスは賢いので、学習してエサを食べなくなるのです。この状態で、ガラスを外して食べられる状況に戻して、エサが自分の周りにいても、カマスはエサを食べません。このカマスを再び餌を食べるようにするには、どうしたらよいでしょうか?

正解は、二匹目のカマスを入れることです。新しく入ったカマスがガツガツ餌を食べるのを見て、もと居たカマスも、あぁ、食べても痛くないんだ、と気付いて食べるようになる。餌は食べられないとあきらめていた、それが常識化していたカマスが、他のカマスの行動を見て、自分の行動を変えることができた。もと居たカマスも、ハッピーになれるじゃないですか、他を知ることで。同じように、職場に改善をもたらすことは、結果として全員をハッピーにすることができるので、それを念頭に自信をもって行動していただきたいと思います。新鮮な目で、二匹目のカマスになってください。

External mindsetで人生を豊かに

私が皆さんに強くお伝えしたいのは、冒頭でも言ったように「External mindsetって、難しく考えることではなく、楽しいことなんだ」という事です。仕事に直接結びつかなくたって良いじゃないですか。私は海外で「ああ、やっぱりこういうことって日本人としてもっと意識しなきゃいけないんだなぁ」「今まで常識と思ったことは違うんだなぁ」と感じた経験が、今の人生を豊かにしてくれていると思っています。自分の相対化ですね。そして、知的謙虚さと知的好奇⼼が大事だと思います。自分はわかってないという謙虚さと、どうしてこうなっているんだろうという好奇⼼が次のアクションに繋がっていく。
External mindsetを持って、ぜひ、人生を豊かにしてください。

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