(日本語) 継続の達人
(日本語) 途中で投げ出さずに続けられるメソッドあります! 部品技術部第二加工技術課 藤本さん
皆さんは何かを「やってみよう」と思い立って始めてみたものの、いつの間にか続かなくなってしまったことはありませんか? むしろ、そういうことばかりで「自分の心の弱さが嫌になる」という人も多いのではないでしょうか? でも、継続の達人である藤本さんに言わせると「ポイントを押さえれば、続けることは難しいことではない」そうです。 成果が出るまで続けるために藤本さんが実践している「継続のメソッド」を教えてもらいました。
(日本語) 部品技術部第二加工技術課 藤本さん
(日本語) 途中で何かをやめたことはありません
― 藤本さんは「継続すること」が得意だと聞きました。
はい。私は「続けること」に関しては自信があります。会社の中で自分より優秀な人や尊敬できる人はたくさんいますが、継続に関しては自分は誰にも負けないと思ってます。高校生くらいから私は何かを途中で投げ出したことはありません。取り組んだことは今も続けているか、あらかじめ決めた目標を達成したので終了したかのどちらかです。
― どうしてそんなことができるようになったのでしょうか?
私の継続の原点は陸上です。小学生から父と走り始め、中学、高校と陸上部で長距離に取り組んできました。中学では毎日10km、高校では毎日20kmを走りこむのが日課でした。陸上は1日休むと3日分衰えると言われていたので練習を休めなかった、ということもありますが、やればやっただけ成果が上がっていくので続けるのが楽しかったんです。でも、自分が得意でないこと、好きではないことでもやらなければならないことってありますよね。そういう時に「どうすれば続けられるのか」を陸上の経験から自分なりに考えてみました。そこでたどり着いた方法を実践したら途中でやめてしまうことがなくなりました。
(日本語) 中学時代
(日本語) 続かない人はランダムに課題を変えてしまいます
― 早速、その「続ける方法」を教えていただけますか?
続けられるかどうかの分かれ目は「成果を感じて続けたいと思えるようになるか、それとも成果を感じる前にあきらめてしまうか」だと思います。あきらめてしまう人は成果を感じることができないうちにやめてしまいます。でも、私は継続すれば必ず多少なりとも成果がでることが分かっているから「努力してみよう」と思ったのです。ということは続ければ必ず成果が出るんです。テストの点数でも、運動の記録でも。ですので、継続のポイントは「成果を感じられるまでは続ける」ことなんです。
― がんばって取り組んでもなかなか成果が出ないこともありますよね。
そうですね。そこで、成果が感じられるまで続けるために「無理をしないこと」が大切です。取り組み始めた瞬間、皆さん張り切ってしまうのではないでしょうか。例えばトレーニングを始める時に気持ちが高ぶって「腕立て100回、腹筋100回」とか「毎日ジムに通う」などちょっと厳しい課題を設定してしまう。でもそれだと最初の数日はがんばれてもすぐにキツいと感じてしまいます。継続が必要な取り組みというのは、成果が短期間では出にくいものです。キツいと感じながら長期間はがんばれません。ですので、「課題を低めに設定してキツさを感じない」ことが継続のカギとなります。継続すれば必ず成果は出てきますから。
― でも、まだ継続できるか不安です。
もうひとつ、コツがあります。それは「課題を変えないこと」です。「今日は調子がいいから腕立て50回のところを100回にしよう」と100回やったとします。そうすると、次の日や調子が悪い日に「先日100回やったから今日はやらなくていいか」と思ってしまうのです。ランダムに設定を変えた結果、「今日はやらなくてよいかな」という気持ちが入り込むのです。 先程の「課題を低めに設定する」と課題が物足りなく感じるかもしれません。でも、物足りなくても課題設定を変えないほうがいいです。やると決めたことを無理なくサボらず継続する。そして、成果が感じられてそのことが好きになったり、習慣になった時に改めて課題設定を見直せばよいと思います。
― スゴイです。これ、「継続のメソッド」と呼ばせていただきます。
(日本語) 藤本さんの「継続のメソッド」
① 成果を感じるまでは続けましょう。 ② 課題は無理のないレベルに設定しましょう。物足りないくらいでも大丈夫。 ③ 設定した課題をランダムに変えないように。決めたことを決めただけやりましょう。
(日本語) 苦手だった英語も今では仕事で毎日使っています
― 仕事における藤本さんの継続の事例を教えていただけますか?
はい。私が苦手と感じていた英語に関する事例をご紹介したいと思います。もともと、英語に関しては得意なほうではなく、2009年4月時点のTOEICは465点でした。社内の規定で昇進の条件のひとつとして600点という点数が示されていますので、それを達成することを目標としました。
― そこからどのように学び続けたのですか?
私が取り組んだことは、週1回、1時間のグループ勉強会に必ず参加することと、毎日10分、参考書を読むことです。皆さんからしたら「それだけでいいの?」と思われるかもしれません。でも、私自身が無理なく続けられることを優先しました。 それでも最初のうちは徐々に点数が上がりました。でも2012年に500点を超えた時から2年間、停滞期を迎えました。600点には壁があったようです。それでも焦らず無理のない範囲の課題をこなし続け、2014年9月に645点をとることができました。ここで、毎日の課題は終了させました。目標を達成したらいったん終了させることも非常に重要です。すべての取り組みを続けていたら新しいことが何もできなくなってしまいますから。
― 目標達成おめでとうございます。英語学習に関してはどのように成果を感じることができたのですか?
勉強を続けていくうちに、試験の中で迷いながら答えるのではなく、確信を持って答えられる問題の割合が増えていったのです。少しずつですがその割合が増えていくことで成果が感じられ、モチベーションを持って勉強を続けられたのです。
― ちなみに、英語は仕事にどのように役立っているのでしょうか?
私は今、メキシコで新しいユニットの生産ラインを立ち上げるための生産準備をしています。海外拠点と仕事を行う際に一番大切なのはコミュニケーションだと思います。計画通り仕事を進めるためには毎日、時間は少なくてもコミュニケーションをとることが重要だと思っています。一般的には海外拠点と週に1回か2回、定例会を開いていると思いますが、私は火曜日から金曜日までの毎朝7時くらいからメキシコのパートナーと会話するようにしています。毎朝会話を継続、、というところで私の継続の特技が活かされていると思います。
― 毎朝! それはスゴイですね。時間はどれくらいですか?
毎朝、30分から1時間くらい話していますね。
― そんなに! 話題がなくなりませんか?
それだけ仕事として話さなければいけないことがあるのです。そして、私のパートナーであるレオネル(LEONEL)は、人柄がとてもよく、明るく笑いながら話をしていてまったく苦になりません。私の使う英語は中学レベルですが、それでも十分にコミュニケーションができています。
(日本語) 周りの人たちも継続してほしい
― 藤本さんはこの「継続のメソッド」を他の人にも伝授されているのでしょうか?
これまでは、継続のメソッドを積極的に人に教えたことはありませんでした。でも、10月に行われた研修で同じグループになった方が朝にウォーキングを始めたと聞いて、私のメソッドをお伝えしたところ、数ヵ月たった今も毎日続けることができ、お腹がへこんで筋肉もついて、さらに体重が減ったと教えてくれました。 今回インタビューに答えて改めて自分の考えがまとまりましたので、会社でもプライベートでもこのやり方を広めてみたいと思います。もともと私は好きではないことまでも継続できていたわけではありません。陸上の経験から継続する方法を編み出したのです。このやり方には特別な努力は必要がないので、「何をやっても続かない」と思われている方も継続できるようになると思います。私のアドバイスによって、皆さんの継続力が上がり、成果につながったとしたら。それは私にとってとてもうれしいことです。
― ありがとうございました。早速、今日から私もやってみます。