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新部署“eパワートレイン推進部”を直撃 新部署の担う役割や活動計画など、実態に迫ります

2022年度、電動化へ突き進んでいるジヤトコに新部署eパワートレイン推進部が誕生しました。発足から2ヵ月半が経過した6月中旬にeパワートレイン推進部を直撃。発足目的や活動内容など、新部署の取り組みについてお話をうかがいました。

Fig1:eパワートレイン推進部 インタビューさせていただいた皆さん

“まっさらな考え方”で100年に一度のチャンスを掴み取る

高橋:ジヤトコはすでに電動車両用部品の生産を開始し、電動化に向けて突き進んでいます(Fig2)が、昨年11月の「Nissan Ambition 2030」で電動化はジヤトコをパートナーとして進める、と日産からアナウンスがあったように、電動化ビジネスはこれから本格化していきます。そこで特に重要になるのがコスト競争力です。すでにe-Axleのラインナップをそろえている競合他社もある中で、ジヤトコはe-Axleは後発です。

Fig.2:ジヤトコが製造している電動車両用部品

Fig.3:取材の様子

高橋:では、コスト競争力を向上させるためにはどうするのか? この難しい課題をジヤトコ全社で乗り越えるために誕生したのが、eパワートレイン推進部です。“推進部”であって“促進部”ではありません。自分たちが中に入って一緒に進めていく役割を担っています。 ここ数年、全社でLEAN活動を実施してきた結果、以前よりも筋肉質な体制になってきてはいますが、まだ全然足りていません。eパワートレイン製品の厳しいコスト目標にチャレンジするためには、今後”まっさらな考え方”で取り組んでいく必要があるのです。“まっさら”というと、「今までのモノをすべてゼロリセットしましょう」と捉えられてしまうことが多いのですが、そうではありません。長い間CVT/ATで培ってきた技術力、経験値はとても重要で、この力をベースに、“まっさらな考え方”を追加してレベルアップを図ります。(Fig.4)。そしてOne JATCOで課題に取り組むことでさらに飛躍し、100年に一度のチャンスを皆で掴み取りたいと思っています。また、目指すターゲットは、2025年の市場投入のタイミング*です。ここでジヤトコの電動化商品の競争力を示し、日産に認めてもらうことが、その先のジヤトコの明るい未来につながると信じています。

*詳細「Nissan Ambition 2030」 20min、28min付近をご覧ください。

https://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/PLAN/AMBITION2030/

Fig.4:CVT,ATの経験値の上に、まっさらな考えを積み上げて飛躍する

3人の推進キーマン

まっさら請負人 1人目:工藤さん

工藤:eパワートレイン推進部が発足して2ヵ月半が経過しましたが、まずは「まっさらな状態、とはどんな状態なのか?」ありたい姿について全員の認識を合わせるため、共通のビジョンを描くことを関係部署と進めています。そして、共通のビジョンを描きながら、現状とのギャップを明確にし、取り組むべき課題を抽出している段階です。”まっさら工場“のありたい姿ってどんな姿でしょうね? この仕事は見えないモノを具体化していくのでとても難しいのですが、共通のビジョンができて、全社でそこに向かって突き進み、少しずつカタチになっていく。そんな未来を想像するとワクワクしますね(笑)。

まっさら請負人 2人目:清田さん

清田:私の役割のひとつは、eパワートレインユニットのコスト構造を理解し、どこにメスを入れるべきか見極めることで、まずはコスト構造の現状把握から愚直に始めています。これまでもCVT/ATで製造原価の低減活動をたくさんやってきた歴史はありますが、それは生産部門内における活動が主でした。しかし、ユニットコストには、製造原価以外にも間接部門のコストなど、ありとあらゆるコストが含まれます。eパワートレインユニットの高いコスト低減目標を達成するために、今までCVTでは着目しきれなかったところを中心に、生産部門の範囲を越えて、多くの関係部署を巻き込んで活動をしています。当然、これまで生産部門が関わってこなかった部分まで口を出すので、言い出しにくいこともたくさんあります。そんな時は、工藤さんが率先して先陣を切ってくれるので助かっています(笑)。 また、コスト部分を担当していると話をしましたが、もともと私は品質保証一筋の人間で、これまではコスト低減とは真逆の指示をすることもある立場で仕事をしていました。eパワートレイン推進部に来て2ヵ月半、コスト構造を学ぶ中で、品質保証の領域にもまだまだコスト低減につながるポイントがありそうだなと感じますし、実際に品質保証部出身の知見を活かしたコスト低減アイテムの発掘ができたこともありました。品質も“まっさらな考え”で取り組み、品質不具合のない、高効率で競争力の高い製品が清々と流れている。そんな未来の製造ラインを想像するとワクワクしますね(笑)。

電動化技術開発請負人:引田さん

引田:私は主に電動化ユニットのキー技術となるモーターの技術開発を担当しています。もし今、モーターの大手設備メーカーから設備を購入すれば、ジヤトコでもすぐにモーターを製造することはできますが、それでは他社にコスト競争力で負けてしまいます。そのため、安価な設備を使いこなす技術開発に取り組み、コスト競争力の高いモーター内製生産ラインを立ち上げることが最大の目標です。万が一、内製化ができなかったとしても、この取り組みは無駄にはならないと考えています。自分たちに技術がないと、サプライヤの言い値で発注するだけで、それでは単なる“手配屋”になってしまいます。サプライヤと対等以上に渡りあえる“技術屋”となることで、設備に関する費用の妥当性が判断できたり、原価低減の提案ができたりし、必ずコスト競争力向上に貢献できると思っています。

eパワートレイン推進部ポリシー

高橋:今回登場した請負人3名以外にも、日産でeパワートレイン関連の製造ライン立ち上げ経験が豊富な仲間がいたりと、合計10名体制で、ジヤトコの未来を切り拓くeパワートレイン推進部を運営していきます。最後に私たちが策定した「新しいモノづくりの実現に向けてのeパワートレイン推進部ポリシー3ヵ条」をご紹介します(Fig.5)。常識に捉われずに柔軟に変革すること、主体性をもって課題を前に進めること、傾聴する姿勢を持ち自由に議論し合える雰囲気づくりを意識しながら、目標に向かって邁進していきたいです。

Fig.5:eパワートレイン推進部ポリシー

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