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ジヤトコフランス通信 CTIシンポジウムに参加したメンバーからレポートが届きました

2024年初にジヤトコフランスからお便りが届きました。今号は、12月にドイツで開催されたCTIシンポジウムのレポート記事です。イベントに参加したメンバーたちは何を感じ、どのような情報を持ち帰ったのでしょうか?

ジヤトコフランス・レポート

1.CTIシンポジウムについてご存知ですか?

CTI(Car Training Instituteの略。自動車トレーニング研究所のこと)シンポジウムは、2002年にドイツで設立された最新の自動車トランスミッション、ハイブリッド、電気駆動技術に関する年次国際会議の場です。毎年CTIでは、明日のモビリティのための最良の戦略とテクノロジーについて話し合われます。CTIの規模も年々拡大され、現在は米国と中国でも開催されています。

ジヤトコはCTIが設立された2002年当初から携わっています。これまで、多くの経営陣がCTIの理事を務めてきました。過去には、中塚前CEOがスピーチを行った実績もあります。また、多くのエンジニアが、プレゼンターやジヤトコのブースキーパーとしても参加してきました。

昨年のイベントでも、例年通りジヤトコフランスのエンジニアと日本から駆け付けたジヤトコ社員数名が、CTIシンポジウム2023で発表されたテーマについて研究を行いました。ジヤトコとCTIは“切っても切れない関係”なのです!😊

ジヤトコフランス ギョームさんのプレゼンテーション@2017

2.自動車業界はどうなっていく?

2023年のCTIでは、自動車業界に100年に一度の変革が間近に迫っていることを示しました。今後ユーロ圏の乗用車用は全てBEV (Battery Electric Vehicleの略。バッテリー電気自動車) にする方向性が示されており、いずれは誰もが手頃な価格で電気自動車を手に入れられるようになります。

サステナビリティ/カーボンニュートラルは、多くのプレゼンテーションで言及されるようになってきました。しかし、各企業は期待されるレベルに到達するために十分な取り組みを行っていません。ジヤトコのレベルはどうでしょうか?

BEVシステムを構築する企業は、モーターやインバーターといった熱マネージメントシステムなどの観点から、コスト/効率/持続可能性の最適な比率を模索しています。
また、現在BEVではシミュレーションによる開発リードタイムの短縮と労力削減の鍵となっています。
OEM、Tier1/2は、DXとシミュレーションを駆使してプロセスと手法を改善しています。さらに、人工知能 (ChatGPTなど) の登場により、今後5~10年で私たちのエンジニアリングの方法は、今後数ヶ月および数年で大きく変化するでしょう。CTIに参加したAIの専門家らは「AIは予想されるすべてのシナリオよりも早く進化している」と述べています。

人工知能を用いたプレゼンテーション

3.参加者の声

CTIシンポジウムに参加したメンバーの感想をお伝えします。

参加したジヤトコメンバー

部品システム開発部 前田さん

E-Motorのトピックに関しては、5社中4社が巻線フィールドを使用したレアアースフリー技術を採用しています。このようなケースでは、冷却方法や構造を改善してユニットの電力密度を高めるという発表が多かった印象です。また、パワーエレクトロニクスの分野では、マルチレベル化による高調波の低減や、最適なパルス化によるスイッチング損失の低減についての発表がありました。システムソフトウェアの価値が高まっていると感じました。

イノベーション技術開発部 池田さん

自動車メーカーはアジアへの依存度を減らすため、モーターだけでなく、車両全体のコストに占める割合が高いバッテリーへの優先度を高めています。また、バッテリー容量を下げるためにはモーターやインバーターをしっかり改良することが効率を上げる近道だと感じました。
また、熱システム技術は、従来からパワートレインを開発してきたサプライヤーにとって重要な技術です。パワートレインを含む車両全体のサーマルシステムの開発を進めており、ジヤトコでも一度試してみるべきだと感じました。

ジヤトコフランス トーマスさん

近い将来、EUで自動車を販売するには、原材料と生産ラインをEU現地に置くことが必須となります。低価格の小型EVに関する発表はそれほど多くありませんが、WLTP(Worldwide hormonized Light dutyの略。国際規格の燃費試験法のこと)で航続距離700km超、メルセデスEQA用(メスセデスの電気自動車)の2速レンジを備えた次世代BEVに関する発表もいくつかありました。

また、CTIは単なるシンポジウムではありません。将来のモビリティを議論するだけでなく、ネットワーキングとしても有効なシンポジウムです。リラックスした雰囲気の中で、参加者同士の交流や深いディスカッションを楽しんでいただけます。

ジヤトコフランスではこれから何に取り組む?

OEM、Bizスキーム、優先順位、製品提案から考えるTier1戦略を鳥瞰図(高所から地上を見おろしたように描いた図)で明確にし、次の製品定義、ロードマップ、アクションを検討していきます。また、ジヤトコの2024年市場に適した製品調査もやっていきます!

フォトギャラリー

出展者多数

Atesteo様はテストの重要なパートナーの1社です。ジヤトコ フランスではAtesteo様のメンバーと何度も話し合いを重ねています。

ステランティス アベンジャー EVモーター

AVL冷却バッテリー システムを搭載したMegane(ルノー車両)

このようにジヤトコはグローバルな体制で変化をとらえ、可能性を拡げて行きます。

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