毎年恒例となっているジヤトコグループ全社基本技能競技大会。今年も富士一地区で開催され、熱戦の末に30名のメダリストが誕生しました。
会場には緊張感と活気があふれ、真剣なまなざしで競技に臨む選手たちの姿に、取材する側も思わず息をのむほど。熱気がこもりすぎて、その日富士市の気温が2度上がったとか上がらなかったとか・・・(冗談です)。

開会式で選手宣誓をする大橋選手(組立の部に出場)
さて、今年は「選手の挑戦の舞台裏」に注目。競技本番に向けた練習に密着し、努力の積み重ねや指導者とのやり取りを取材しました。
鍛造の部
鍛造の部では、My JATCO代理カメラマンとしてもおなじみの前澤工長が、出場者6名の指導役を務めました。工場現場で培った経験を惜しみなく伝え、一人ひとりに丁寧なアドバイスを送ります。

優しく指導する前澤工長と真剣な眼差しの栢森さん

黙々と練習に打ち込む鍛造の部出場選手たち
ルールは、リアハブ(3個)、プーリースライド(3個)の「外観目視検査」。欠陥品を発見した場合はワーク番号と欠陥名を解答用紙に記入し、良品は「寸法測定用の定盤の上」に仮置きします。目標競技時間は6分。
この限られた時間内で、集中力を切らさず精度の高い判断を続けることが求められます。
「点検は自信を持って大きな声で。これも審査員へのアピールになるよ」
「拡大鏡はこう持つと落ちにくい。道具を安全に扱えることも採点ポイントになるんだ」
実技だけでなく姿勢や安全意識も競技の一部であることを、前澤工長は繰り返し伝えます。その言葉を胸に刻み、選手たちは黙々と練習に取り組んでいました。
なかでも入社7年目の栢森さんは、普段の業務ではワークに触れることが少なく、当初は不安を抱えての挑戦でした。しかし、繰り返しの練習で少しずつ手応えをつかみ、本番では集中力を発揮。見事3位入賞を果たしました。
表彰台に立った栢森さんの笑顔からは、安堵の表情が読み取れました。
鋳造の部
続いて鋳造の部。今年で3回目の挑戦となった朝比奈さんに密着しました。昨年は惜しくも銀メダル。悔しさを胸に秘め、今年は「もう一度挑戦するしかない」と練習に励みました。

朝比奈さんと練習を見守る山田工長

欠陥を模した直径2ミリほどのシール、見つけられますか?
ルールは、シリンダーヘッドの「外観目視検査」。欠陥を見つけた際には部位と不良名をチェックシート(解答用紙)に記号で記入します。
対象となる部品は普段扱うものとはサイズや見た目が異なり、慣れない中での精度が要求されます。
前回大会での反省点は「焦ってしまったこと」。そこで今年は、「とにかく落ち着いて丁寧に」を合言葉に練習を重ねました。チェックの手順をくり返し確認し、検査動作を体に染み込ませる地道な積み重ねを怠りませんでした。
その成果は本番で存分に発揮され、3度目の正直でついに優勝!!金メダルを手にした瞬間、会場から大きな拍手が沸き起こりました。
表彰式では、日頃から支えてきた望月係長や山田工長も誇らしげな表情を見せ、指導者と選手の絆を感じられました。

競技前の朝比奈さん、リラックスしていますね

優勝インタビューを受ける朝比奈さんを嬉しそうに撮影する望月係長
支える人々と大会の意義
今回の取材で印象的だったのは、選手たちの努力だけでなく、彼らの背後を支えていた監督者や指導者の存在でした。練習メニューを考え、一緒に付き合い、ときには厳しく叱咤激励する――その積み重ねが成果につながっています。
選手たちも「自分ひとりではここまで来られなかった」と口を揃え、支えてくれた仲間や上司への感謝を忘れません。
そして、このような挑戦の場を毎年提供してくださるJEPS統括部の皆さんの尽力も大きな力となっています。技能を競い合うだけでなく、互いの技術を認め合い、仲間意識を深めることができる――それこそが基本技能競技大会の意義なのだと改めて実感しました。
今年もまた、多くの感動と学びを与えてくれた基本技能競技大会。
選手たちの真剣な表情、支える人々のまなざし、会場を包む熱気。そのすべてが、ジヤトコの技術を未来へとつなげる力となっています。
来年はどんなドラマが生まれるのでしょうか。今から楽しみですね。

当日の様子はダイジェスト動画として公開されていますので、こちらをぜひチェックしてみてください。映像からも会場の熱気が伝わってくるはずです。