My JATCOのQRコードです。
ご紹介の際に活用ください。

QRコード

×閉じる

41+

DX先進部署・調達部門に聞く!~デジコンWorld Cup最優秀賞 上田さんインタビュー~ DXで価値あるアウトプットを生み出すヒケツに迫る

グローバルジヤトコでDXによる業務改善事例を競う大会「Digi-Con World CUP🏆(以下、デジコンと記載)」。この大会で毎年結果を出し続けている調達部門は、2022年度も最優秀賞*¹を受賞しました(*¹ 高度デジタル技術活用部門)。 今回は最優秀賞を受賞したプロジェクト調達部 上田さんとそれをサポートした部長の佐藤さん、調達部門のDX推進専任職制の清さんを交えたインタビューです。DXが促進される部門の風土や、課題設定のコツなどについて教えていただきました。

取材したメンバー

左からプロジェクト調達部 佐藤さん、上田さん、調達管理部 清さん

最優秀賞受賞

Q:最優秀賞受賞おめでとうございます。まずは感想をお願いします!

上田:ありがとうございます! 虎の穴*²をきっかけに、佐藤部長と二人三脚で長い期間取り組んできた課題でしたので、最優秀賞を受賞することができて、とてもうれしく思っています。 *² デジタルイノベーション推進部が手掛けるDXエンジニア育成プログラム

佐藤:私も上田さんが苦労しているところを見てきたので、今回の受賞を大変うれしく思っていますし、最後まで取り組んでよかったです。

:私も虎の穴の一期生として、二期生の上田さんの受賞を大変うれしく思います。そしてなにより、バイヤー歴30年の私自身がこの案件のファンでした。また、デジコン日本予選3位からの逆転受賞は本当に感動しました。「おめでとうございます」と伝えたいです。

調達部門オールスタッフミーティング授賞式。古川SVP(左)も喜んでいます!

デジコン ワールドカップ表彰式🏆 最優秀賞おめでとうございます‼

デジタル技術開発紹介

Q:今回開発したシステムの内容を教えてください。

上田:自動車業界は百年に一度の変革期と言われており、ジヤトコも電動化に向けて動きを加速させています。主力製品がCVT/ATから電動化ユニットにシフトし、調達する部品やサプライヤが変わっていく中、調達部門としてもジヤトコの調達戦略やサプライヤとのコミュニケーションの仕方をあらためて検討する必要があります。そこで、各サプライヤの2030年までのジヤトコとの取引額の推移などを簡単な操作で可視化するシステムを作りました。将来動向や部品調達リスクなどを事前に把握することで、お客さまに持続可能な製品供給ができるように取り組みました。

上田さんが開発したデジタル技術の概要

価値あるアウトプットを生み出すコツ

Q:デジコンの発表では、大曽根CTOが課題設定のすばらしさを絶賛されていました。課題設定で意識したことや、実現手段について教えてください。

佐藤:プロジェクト調達部はプロジェクトの購入部品を扱う部署で、非常に多くのデータを扱っています。それらのデータは、データ単独ではひとつの価値しかありませんが、個々のデータを組み合わせて繋げることで、新たな価値を生み出せるのではないか。実務の中で気付きを与えたり、武器になるデータとして、皆さんにお渡ししたいと以前より考えてきました。今回のテーマは、電動化の流れの中で「サプライチェーンの状況を見える化する」ことでしたが、「どのデータをどう組み合わると、より価値の高い情報になるか」を強く意識して取り組みました。 システム開発では最初にゴールをイメージし、ありたい姿を実現するにはどうするべきか、仮設を立てて進めました。イメージを具体化していく中で、上田さんが「虎の穴で学んだkintone*³を活用すれば、佐藤さんのやりたいことを実現できるかもしれません」と提案してくれて、徐々に課題解決が進み始めました。 *³ サイボウズの製品。ジヤトコでは、kintoneを使った業務改善に取り組んでいます。

:今回の受賞の要因は、聴講者が「取り組んだ課題の拡大性、可能性を感じられた」からではないかと思っています。課題設定をする際は自分だけが満足するだけでなく、周囲の方にプラスの価値を提供できるアウトプットを目標にするといいのではないでしょうか。そして、DXに縛られるのではなく、「こういうものができたら仕事が楽になる」を考えてスタートすると、可能性が拡がりポテンシャルの高いアウトプットに繋がりやすくなるのではないかと思います。また、現在は10年前とは違い、DXという手段を用いることで、簡単にデータを繋げられるようになったことも大きいと感じます。

データをシステムが読みやすく変換。DXの基本!

Q:課題解決までの道中、苦労された点や周囲のサポートなどについて教えてください。

上田:最初は漠然としたアウトプットをイメージし、アイデア出しから始めました。kintoneの中には「計算式を使ってデータ組み合わせる“拡張機能(krew Data)”」というものがあり、手持ちのデータをうまく活用すれば、佐藤さんのやりたいことが実現できるのではないかと考えました。 当初は、今あるデータを整理しkintoneに連結させようとチャレンジしたのですが、なかなかうまくいかず、デジタルイノベーション推進部や部門DX推進Grに相談をしながら進めました。 うまくいかなかった原因はデータの扱い方にありました。人間が見やすいと感じている表形式のデータ(エクセルデータ)をそのままkintoneに読み込んでも、うまくいきません。システムが読みやすい1行1データの「テーブル形式のデータ」に変換して読み込ませることが、デジタルデータの扱い方の基本であることが分かり、少しずつデータの組み合わせができるようになって、進展していきました。 また、デジコンへの出場が決まってから、古川さんレビューで「今回のDXの取り組みで、『何が分かり、何ができるようになったのか?』『結局どんな価値のあるデータができたのか?』」と強く問われ、ゴールを見つめ直したことで、最終的によりよいアウトプットに繋がったと思います。

上田さんの成長

Q:今回の経験を通じて、上田さん自身が成長したと思う点、サポートされた方々の目線で成長したと感じる点を教えてください。

上田:自分が成長できたと思う点は、一つひとつの仕事に対し「目的は何か」を考えるようになったことです。例えば、DXに取り組む中で、kintoneでうまくできない時に、「作りたいデータは何だったか」「そのデータをどう使いたいのか」を考えてみると、必ずしもkintoneで作らなくてもいいなと気づいたり、より広く柔軟な視点で物事を考えられるようになりました。今回の課題解決をきっかけに、普段の仕事でも目的は何か、ゴールはどこなのかを意識して仕事をすることで、本当に必要なことが見えたり、適切な判断ができるようになってくると思いました。 また、今回のデジコンをきっかけにいろいろな方に開発したシステムを知っていただき、使ってもらう機会が増えました。「こんな便利なデータが欲しかった」「すごく作業が楽になった、ありがとう」と使った方からたくさん感謝の言葉をいただきました。私は入社3年目ですが、初めて「自分の仕事が人の役に立つんだな、会社に貢献できたんだな」と達成感を感じることができました。

佐藤上田さんは考える力と実行力が伸びたと思います。DXで課題解決に取り組む道中、壁や課題に当たった時に、自分なりに考えて、こうやったら解けるのではないか? を考えるようになったこと。そして、彼女のポジティブなリーダーシップと自発的な実行力。自分の考えを自分の言葉できちんと周囲に説明し納得してもらうことで、周囲のサポートをもらいながら自分の力で課題を解決できるようになったこと。この2つが成長したポイントだと思います。

上田:ありがとうございます(笑)

:上田さんには「Aspiration to Win、諦めないでやりきるパッション」を強く感じました。予選から本選までの2ヵ月の間、上田さん自身がこのシステムの価値のすばらしさを実感できたことで、本選では自信を持って発表ができたと感じました。本当におめでとう‼

強い信頼関係を感じる一枚。

DXが推進される風土。今、ウェーブが来ている!

:DX推進担当としては、デジコンにおけるここ数年のよい結果は、単に部門にいる優秀な若手が成果を出してくれただけで、部門の風土といえる状態にはまだまだだと思っています。しかし、調達部門の仕事は、長い間属人的で、紙やハンコ主体だったところから、ここ数年DXによるウェーブが来て、高付加価値業務にシフトしていく土壌が育ち始めてきたと思っています。 また、調達部門では、DXの必要性を強く感じている部門長の古川さんが、部門に専任チームを作りDXを推進しています。日常業務で忙しかったり、課題が難しくてつまずいてしまったりして、業務改善を諦めてしまうこともありますが、そこを専任チームがサポートし、DXによる業務改善を推進することができる体制ができました。

佐藤:部門内で競い合う文化も重要だと思います。3年前から「調達部門全員参加でDXによる業務改善をやっていこう!」と取り組み始めました。年に2回、調達部門内5部署でDX発表会を開催し、成果を競い合ってレベルを高めあっています。

上田:部門内DX発表会での取り組み事例も毎年確実にレベルアップしていると感じます。今回のデジコンの私の発表内容よりもすぐれている案件もたくさんあると思っています。

:そして、今後さらにDXなどを使って付加価値がない作業を減らし、浮いた時間で価値を創造して会社に貢献していきたいと思います。

佐藤:そうですね。DXにとらわれることなく、部門間の壁をなくして、お互いが価値あるものを作り上げていける会社になっていく。そこをリードする調達部門でありたいですね!

調達部門はDX先進部署として、今後も会社をリードしていきます!

関連記事