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あなたの「好き」が、アントレプレナーシップを作る(後編)

2024年度から新たに企業理念の価値観(T-E-A-M)にアントレプレナーシップ(Entrepreneurship)が追加されました。 「自らのやりたいことやアイデアを基に、リスクを恐れずに新しい価値や事業を創造する」という思いが込められているアントレプレナーシップは、なぜ今のジヤトコに必要なのか。その目指す姿とは。 事務局である経営企画部の中川さん、松下さん、平井さんを直撃し話を伺いました。後編は、「求める人財・目指す姿」についてです。

既にアントレプレナーシップを実践している人はいますか?

松下:今は我々が探している状態です。例を挙げるとすると、今年3月の富士山サイクルロードレースで「フジティラノDASH!~走って笑って健康に~」*¹を実施しましたが、あれは当時グローバル広報部の藤巻さん(現人事総務部)がどうしてもやりたいと言って、あの大きなイベントのプログラムに組み込んだようです。 彼女の中では会社が求めている社会貢献という軸を持っていて、「地域の人を笑いで健康にしたい」という思いが、会社の求めていることと彼女のやりたいことがラップして重なっていた。 彼女1人がやりたいと言っているのではなく、上司の川上さんも年度計画にない中で、「そういうことだったらやってみようか」と、その熱意に押されたのです。それを市川さんら社会貢献チームで彼女の思いを後押しして、大成功のイベントにすることが出来ました。そのお話を聞いて、「自分が好きなことで会社のニーズにマッチしていることだったらやりましょう」というのを、本人だけではなく、地域の高校生や地元企業のみなさんも協力して、輪が広がっていった。そういう行動自体も、立派なアントレプレナーシップだと思います。 結果的には、目に見える形で「あのようなイベントをやっているジヤトコさんはすごい」「社長さんってあんなに面白いんだ」みたいな反響が SNSでも多数ありました。新規事業ではないけれど、そういう熱意のある人を我々も探してインタビューする予定です。 *¹米国が発祥とされる、ティラノサウルスの着ぐるみを来た徒競走。ジヤトコは地域の方々が笑って元気になることを目指し、富士市立高校や他企業と連携して実施。

3月に実施した「フジティラノDASH!~走って笑って健康に~」

中川:周りが少し応援してあげるとか、そういう雰囲気も大事。 日々の仕事をしっかりこなしながら、1~2割くらいは今の仕事に関係がないことでも勉強したいという人には、上司の人が「おっ、面白いね。いいよ」と言ってあげてほしい。その姿勢を見た周りも「すごいな」と学べるような雰囲気になっていれば良いですね。「そんなことしていいんですか?」とかね。今でも「いやいや、むしろやってくれってよ」と言っている上司もたくさんいるんですよ。配下の方が遠慮しているのか?そもそも忙しくてできないのか?そこは人によって違うけど、中には「そんなことをしたらダメだ」と思っている人もいる。既存事業を進めながら次の芽を育てる。難しいけど、そこを徐々に変えていけたら良いと思います。

(左から)中川さん、松下さん、平井さん

本人の意思だけではなく、サポーターは大事ですね

平井:「やりたい」と強く思ってどんどん前に出る人は限られてしまうかもしれませんが、それをやるためには周りの理解やサポーターを増やすことがすごく重要です。その姿勢が当たり前だと思わないと進まないと思う。マインドから言っても、全員必要だと思っています。

中川:自分の本当にやりたいことをジヤトコで見つけて欲しいです。それをやれる会社にもしていきたい。みんながやりたいことをやれる会社にしたい。やりたいことさえあれば、それに対して勝手に勉強してずっと学ぶことができます。やりたいことはすなわち「志」なので、社会課題に紐づくと思う。その世界に貢献したいのだと。そこで自分のパーパスを持つ。いきなり全員参加は難しいですが、1人でも2人でも増えていくと良いと思います。

平井:2022年にパーパスを設定してからのアントレプレナーシップなので、社員一人ひとりがパーパスを実現するというところを大きく持ってほしいという思いが大上段にあります。そのためのhowの1つがアントレプレナーシップだと思っています。 2024年度のコンピテンシー評価にも入っていますが、 ①新しいことを学び続けること。 ②新しいことを考えること。 ③新しいことをリスクテイクを含めて試してみること。 これらどんどん実現していく社員が増えることが理想。そこを目指しています。

目指す姿は?

中川:まず「自分の好きなことを見つける」。そしてそれを応援するサポーターを増やしたいです。そこから本当のイノベーションにつながる種が1つ2つ出てきて、最終的にそういったものが10年後、20年後に収益の柱になっているかもしれません。社長ぐらいの視点で回せる人財が出てくるかもしれません。それには、既存のやり方のままではダメで、やりたいことにどんどんチャレンジする会社にしたいですね。 他社を見ると、全体の業務のうち2割くらいをそういう時間に充てている。でもそこで何がしたいのかは、クリアにして、周りに示す必要があります。

平井:今年度からDXもコンピテンシーに加えたので、まずは基礎的ですけど、今の仕事を効率化させるとか、無駄な仕事は極力しないことを意識してほしいです。 ジヤトコは多くの方が現場で働いていて、その方々の効率化は難しいですが、自分たちの役割の中でどういうところでアントレプレナーシップが発揮できるかというものを、今回コンピテンシーのディクショナリー(解説書)を起こしているので、ご対応いただければと思います。

今後の計画を教えてください。

松下:昨年度までの「ビジネスコンテスト」は手挙げ制だったので一部の方にしか体験できなかった領域でしたが、今年度は皆さんとの対話を通して、「なぜジヤトコに今、アントレプレナーシップが必要なのか」を腹落ちしていただける企画を実行していきたいと思います。

平井:6月に社内ポータルにて「アントレプレナーシップ」のコーナーを立ち上げました。アントレプレナーシップの定義の説明は講座や動画を通して、自分にとってアントレプレナーシップはどういうことだろうというのは、一人ひとりが考える必要があります。そこをどうやって浸透活動とリンクさせていくか考えていきます。

中川:パーパスの浸透活動と一緒だと思いますが、「発想を広げ、新しいアイデアをアジャイルで考える」ことは、これまでのスキルとは異なります。 松下さんが推進しているIGNiTE*²にもありますが、こういう教育や研修を通じて社員に腹落ちしてもらいたいです。そこで何を感じてもらうかは人それぞれのアントレプレナーシップがあって良いと思います。表現の仕方は無限大!ええこと言ったな、俺。 *²日産自動車((株))コーポレートV-up組織開発部が推進する、価値創造型課題解決プログラム

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