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教えて佐藤さん! 新入社員が社長に聞いた12のコトVol.3 最終回! “新入社員が学んだこと、佐藤さんが学んだこと”

新入社員4名と佐藤さんの対談記事も第三弾、最終回となりました。新入社員は今回の対談で何を学んだのか? そして佐藤さんが彼らから学んだこととは?

佐藤さんに挑んだ新入社員

今回挑んだのはこの4名です。

Q9:私は生産部門に入りました。生産部門の先輩として、佐藤さんから「生産部門に必要な覚悟」についてアドバイスいただけないでしょうか?

杉本さん

回答:トランスミッションはクルマの中で一番難しい。千差万別ある技術の原理原則を見抜いてください。そして、現場の人たちを理解し、偉くなるほど稲穂のように頭を垂れて、「人で成り立つ生産部門」を人の仲をつないでまとめてください。

私は入社以来、トランスミッションを始めとしてエンジンや足回りなどいろいろと経験してきましたが、自動車の中ではトランスミッションが一番難しいと思っています。トランスミッションそのものの技術も難しいけれど、造る技術も難しい。トランスミッションを造る技術は千差万別なんです。技術の種類が多すぎる。その技術を全部理解している人は少ないと思います。 エンジン出身の人に怒られてしまうかもしれないですが、エンジンとトランスミッションは同じくらいの原価ということで、開発、生産に同じくらいの人数をかけていますが、トランスミッションのほうが扱う技術が多いのです。だから、私は「一人ひとりの力はトランスミッションの担当者が一番強い」と思っています。

生産部門の技術者として覚えなければいけないのは、その千差万別の技術を自分の中に吸収して、「技術の原理原則」を理解することです。これができればあまり技術の違いに翻弄されなくなります。また、生産は現場でオペレーションしてくれる人たちがいますよね。その人たちの作業を理解して、実際の作業や機械を使っている人たちがどんなに大変なのかを理解すること。全部できるようになれ、とは思いませんが、できれば手を動かして自分もできるようになる。これも大事だと思います。

また、生産部門はヒエラルキーがはっきりしたピラミッド型です。ピラミッドの上にいると親分のようになってしまいがちですが、私は常に「上に立った時に偉そうにするな、稲穂のように実ったら頭を垂れろ」と言っています。班でも、課でも、グループでも、長になった時にできるだけ周りの人の声を聴いて、それに対してしっかりと手を打っていくのが大事だと思います。生産は人で成り立っている部門なのです。人の仲を上手くまとめていくこともとても大事なことなのです。

Q10:電動化に向けてギアやe-Axleの生産を行っていきますが、ジヤトコの鋳造、鍛造の技術を活かして別の商品、例えば自転車のフレームを造ることなどは考えていないのでしょうか?

志村さん

回答:ジヤトコの鋳造、鍛造技術はトランスミッション以外に使うのはもったいない。さらに鋳造のバリューは増えていく。

私はもともと鍛造屋ですが、鋳造の技術も分かります。私が考えるにジヤトコの技術はトランスミッション以外の製品を造るにはもったいない、面白い技術なのです。もちろん、ほかの製品を造ることはできますが、それは二の次だと考えています。私たち独自の技術は電動化におけるジヤトコの強みである「クルマをコントロールする」「音を制御する」などをサポートしていくことに使いたいと思っています。

私は電動化になって鋳造を始めとする素形材技術の仕事は減っていくかな? と思っていましたが、鋳造は逆に増えていくかもしれません。電動車におけるバッテリーやモーターは、クルマに搭載する時にはしっかりとケーシングする必要があります。そしてこれらはクルマのレイアウトに大きく影響するので、中に収めるために外側の形状が複雑になっていくはずです。そのために鋳造技術が必要で、そのバリューはこれまで以上に大きくなるでしょう。トランスミッション以外の製品を造る前に、私たちにはやることが多くあると考えています。

Q11:佐藤さんから見て、社会人として活躍できる人はどういう人でしょうか?(昨年度の新入社員からの質問その1)

身振り手振りを交えて回答する佐藤さん

回答:それぞれの場面で活躍できる人は違ってきます。自動車業界では「変化を感じて自分で変えていける人」、そして「自分で自分の背中を押せる人」が活躍できると思います。

難しい質問ですね(笑)。いろいろな場面でいろいろな人が活躍できる場はあるのだと思います。昔からの技術を伝承しながらそれをきっちり守っていくことができる人はそこで活躍できますし、アマゾン、アップルのような次の世界においてはその思想とか、発想が創り出せる人たちが活躍します。十把一絡げに「社会人として活躍できる人は?」という問いに答えるのは難しいです。 私たちの業界、自動車関連では、「変化を感じて自分でいろいろなことを変えていける人」、すなわち常日頃から物事を見たりニュースを聞いたりして、自分の中で少し先の未来がイメージできる人の方が、動きが取れるだろうと思います。あとは、その未来に向けて自分で自分の背中を押して、前に進むことができる人のほうが活躍できると思います。いずれにしても、まずは社会常識や政治、経済がどう動いているかなどが分かっていないと先には行けないと思いますね。

Q12:社長としてご多忙だと思います。仕事中の上手な気持ちの切り替え方を教えてください。 (昨年度の新入社員からの質問その2)

回答:裏紙に万年筆で何でも書く。たくさん書く。これが自分自身の切り替えになっています。書いたものは見せられませんね(笑)

いろいろありますが、まず思い浮かぶのはコーヒーかな? コーヒーが飲みたくなってくるのは切り替えたいと思う時ですよね。トイレもそうかもしれません。違う場面に自分を持ち込むことで切り替えることができます。 私は結構、裏紙を使うんです。そしていろいろなことを手で書く。手書きには万年筆を使います。力を入れずにさらさらと書けて、汚い字でも後から読めるんです。この時に自分を紙ベースの世界に持ち込むことで切り替えを図っているんだと思います。A4の裏紙にいろいろなことを書くのですが、一枚終わるごとにそれをジーっと眺めて考えて、「あっ、OK」と思ったら次の紙に次のことを書き始めます。毎週更新しているポータルのメッセージも最初はA4の裏紙を使ってあれやこれやと書き始めて、構成を書き、最後の仕上げも紙に書いて、それを眺めて「これでいいか」となってからパソコンに打ち始めています。これが切り替えるひとつの方法になっています。 書いたものはすべてシュレッダーにかけています。いろいろと書くので変なことも書いていて、会社帰りにシュレッダー室に行って自分でシュレッダーしてから帰っています。メモの内容を見せてほしいと言われても、ちょっと見せられませんね(笑)

万年筆使用歴は30年。筋金入りです! 

万年筆でメモを取る佐藤さん

対談を終えて

志村さん:この貴重な機会に選ばれてとてもうれしかったです。佐藤さんのポジティブで未来志向な人柄がすごく伝わってきました。生産部門の先輩としてのお話も聞け、これからの自分の社会人生活に活かせることばかりでとてもよかったです。

杉本さん:貴重なお話、ありがとうございました。今日は朝から緊張していたのですが、話しやすい雰囲気を作ってくださって助かりました。今回、具体的な目標設定のやり方や、未来に向けた行動の起こし方や考え方が勉強になりました。まずは今の工場実習で現場を理解し、技術を身につけて本配属で活かしていきたいと思います。

佐野さん:私はどちらかというとネガティブに考えてしまう性格でしたが、佐藤さんのようにポジティブに未来を考えるようにしていきたいと思います。そして自分もよい先輩を見つけて真似することからやってみたいと思います。

感想を話す佐野さん 最後は打ち解けた雰囲気になりました!

髙田さん:私は最初、佐藤さんはもう少し堅い人だと思っていました。でも、お話を聞いてみるととてもポジティブで、社長になっても天狗にならない、よい方だなと思いました。佐藤さんのおかげでこの会社もよい雰囲気になっていると思います。私もこの会社でがんばっていきたいと思います。

佐藤さん:私自身はこのような性格なので社長になったからといって何かを変えるつもりはないし、変わらないと思うんです。私は周りの人たちの一人ひとりが好きなので、皆さんと偉そうにすることなく、同じ目線で話したいと思っています。今、皆さんの感想を聞かせてもらって、今日は皆さんと同じ目線で話すことができたかな、と思いました。

そして、もうひとつ。実は息子が今週末(5月末)にお嫁さんを連れてくることになっています。相手は私がジヤトコの社長だと知っているようで、かなり緊張しているらしく、どう話せばいいのかな?と心配していたのですが、皆さんの反応を見て「今日の調子でしゃべればいいんだな」と、今日は私にとっても、とても参考になりました。ありがとうございました(笑)

対談終了直後の記念写真 大役を終えた新入社員の皆さん、清々しい笑顔です!

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